DTC P1215/97 EDU異常

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回路説明

DC/DCコンバータによる高電圧・急速充電方式により、高燃圧に対するインジェクタの高速駆動を実現した。高圧燃圧により細霧化された燃料の噴射タイミングを、精度良くコントロールすることによりエミッションおよび燃料消費量を低減した。インジェクタドライバの動作は常時エンジン制御ECUが監視し、ドライバ系統およびインジェクタに異常が起きた場合は、該当気筒の噴射制御の停止およびインジェクタリレーの通電カットを実施し、エンジンコントロールコンピュータよりチェックランプを点灯させる。

DTC No.
DTC検出条件
1.診断条件 2.異常状態 3.異常期間 4.その他
トラブルエリア
P1215/97
1.エンジン暖機後、エンジン回転数4000r/min以下
2.インジエクタドライバ通信回路の短絡、断線
3.同一気筒で40回転以上
4.1トリップ
  • ワイヤハーネスまたはコネクタ(インジエクタドライバ通信系統)
  • インジェクタドライバ
  • フユーエルインジエクタ
  • エンジンコントロールコンピユータ

配線図

点検手順

□ 参 考 □
S2000を使用して、フリーズフレームデータを読み取る。これはフリーズフレームデータが不具合発生時のエンジン稼動状態の一部を記録しているからであり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

手順1
ワイヤハーネスまたはコネクタ点検(EDU-ボデーアース)

SST
09082-00030
09083-00150
  1. EDU10極コネクタを切り離す。

  2. イグニッションスイッチをONにする。

  3. 10極コネクタ1(+B)端子−ボデーアース間の電圧を点検する。


  4. 基準値
    9ー14V
      NG
      EDU電源回路点検
      OK
      次の手順へ

手順2
ワイヤハーネスまたはコネクタ点検(抵抗点検)

SST
09082-00030
09083-00150
  1. EDU10極コネクタおよび8極コネクタを切り離す。

  2. SSTを使用して、10極コネクタ5(INJ#1)端子−4(COM1)端子間の抵抗を測定する。


  3. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
  4. SSTを使用して、8極コネクタ6(INJ#2)端子−4(COM2)端子間の抵抗を測定する。


  5. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
  6. SSTを使用して、10極コネクタ10(INJ#3)端子−9(COM3)端子間の抵抗を測定する。


  7. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
  8. SSTを使用して、8極コネクタ1(INJ#4)端子−9(COM3)端子間の抵抗を測定する。


  9. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
  10. SSTを使用して、8極コネクタ5(INJ#5)端子−4(COM2)端子間の抵抗を測定する。


  11. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
  12. SSTを使用して、10極コネクタ6(INJ#6)端子−4(COM1)端子間の抵抗を測定する。


  13. 基準値
    2.55−2.85Ω(20°C)
      OK
      NG
      次の手順へ

手順3
フューエルインジェクタ点検(要領11-19 参照)
      OK
      ワイヤハーネスまたはコネクタ修理または交換
      NG
      フューエルインジェクタ交換

手順4
ワイヤハーネスまたはコネクタ点検(エンジンECU-EDU)

SST
09082-00030
09083-00150
  1. エンジンコントロールコンピュータコネクタCおよび、EDU8極、10極コネクタを切り離す。

  2. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピュータコネクタC7−C2(#10−#60)端子−EDU8極コネクタ,10極コネクタの各端子間(IJt#1−IJt#6)の導通を点検する。(端子配列は05-102 参照)


  3. 基準
    導通あり
  4. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピュータコネクタC13(INJF)端子−8極コネクタ7(IJf)端子間の導通を点検する。(端子配列は05-102 参照)


  5. 基準
    導通あり
      NG
      ワイヤハーネスまたはコネクタ修理または交換
      OK
      次の手順へ

手順5
エンジンコントロ-ルコンピユ-タ点検(ECU出力電圧)

SST
09991-60101
09991-60300
  1. 出力波形点検

    1. ダイアグノーシスコード消去

    2. □ 参 考 □
      • 次にダイアグノーシスコードを検出して、フェールセーフに入るまでの間に行う。
      • フェールセーフに入ると波形出力はしない。

    3. S2000をオシロスコープ機能にセットする。

    4. 項目
      内容
      測定端子
      CH1:#10ー#60⇔E1
      CH2:INJF⇔E1
      計器セット
      20V/DIV、20ms/DIV
      条件
      暖機後、アイドル回転時
    5. エンジンコントロールコンピユータコネクタC7−C2端子(#10−#60)端子−C1(E1)端子間にS2000を接続し点検する。(端子配列は05-102 参照)

    6. エンジンコントロールコンピユータコネクタC13(INJf)端子−C1(E1)端子間にS2000を接続し点検する。(端子配列は05-102 参照)

    7. 測定結果:

      A
      B
      CH1(#10ー#60)は正常かつ、CH2(INJF)が異常
      CH1(#10ー60)が異常または、CH1、CH2がすべて正常
      B
      エンジンコントロ-ルコンピユ-タ交換
      A
      インジエクタドライバ交換