構造と作動

概 要

構造と作動

  1. エネルギー吸収機構
    1. ステアリングコラムは,ロワーブラケットとコラムチューブ一体式のブレークアウェイブラケットのカプセル部によりボデー側にボルトとナットで固定されています。
    2. ステアリングメインシャフトには,Cリングによる結合部が設定されており,衝突時にステアリングギヤからの入力によりCリングがはずれ,メインシャフトが収縮するとともに,インターミディエイトシャフト収縮により衝撃を吸収し,ステアリングコラム,ステアリングホイールが車室内に押し出されてくるのを防ぎます。
    3. ステアリングホイールに衝撃を受けるとステアリングホイール,ホイールパッドによりエネルギーを吸収するとともに,カプセルを残してブレークアウェイブラケットとステアリングコラム全体が前方に移動します。この時EAプレートが変形することによりエネルギーを吸収しています。その際,ロワーブラケットが分離してステアリングコラムの移動を可能としています。

  2. チルト & テレスコピック機構
    1. 機 能
      1. チルトのアップ側調整範囲は,電動式8.5°,マニュアル式9.0°で,ダウン側はどちらも6.75°です。テレスコピックの調整範囲は,電動式およびマニュアル式ともに前方20mm,後方25mmの合計45mmです。
      2. 電動チルト & テレスコピックステアリングコラムにはモーターを設け,コンピューターで制御することにより優れた操作性を確保しました。また,イグニッションキー操作によるオートアウェイ制御およびオートリターン制御により優れた乗降性を確保するとともに,マニュアル制御(チルト & テレスコピック制御)によって任意の位置への調整を可能としています。
    2. チルト & テレスコピックスイッチ
      1. ステアリングコラムカバー左側に取り付けられており,マニュアル操作でチルトおよびテレスコピックの位置を任意に調整できます。

  3. チルト & テレスコピックモーター(電動チルト & テレスコピックステアリングコラム)
    1. ステアリングコントロールコンピューターとステアリングギヤASSYを一体化し,小型・軽量化をはかりました。また,モーター位置,ポジションセンサーのホール素子採用などによりユニット化を実現しました。

  4. チルト & テレスコピックコンピューター(電動チルト & テレスコピックステアリングコラム)
    1. 各センサーおよびスイッチの信号により,チルト & テレスコピックモーターに制御信号を送ります。
    2. イグニッションキー操作によるオートアウェイ制御およびオートリターン制御の採用により,優れた乗降性を実現しました。
    3. 制御機能
      オート制御
      オートアウェイ
      イグニッションキーを抜くと,ステアリングコラムをチルト最上段位置およびテレスコピック最縮位置まで移動させます。
      オートリターン
      イグニッションキーを差し込むと,抜く前の位置(チルト位置およびテレスコピック位置のメモリー位置)まで移動させます。
      マニュアル制御(チルト & テレスコピック)
      チルト & テレスコピックスイッチを操作することにより,チルト位置およびテレスコピック位置を任意に調整できます。
      記憶・再生制御
      ステアリング,シート,ブレーキペダルおよびアクセルペダルの位置をメモリースイッチを操作することで,2ポジションまでの記憶・再生することができます。

ステアリングホイール