パーシャルエンジンASSY(1JZ-FSE) オーバーホール(脱着・分解)

    準備品一覧

  1. オイルフイラキヤツプ取りはずし
  2. スパ-クプラグ取りはずし
  3. シリンダヘツドカバ-取りはずし
  4. オイルパイプNO.1取りはずし
  5. タイミングベルトカバ-NO.2取りはずし
  6. NO.1シリンダ圧縮上死点セット
  7. ■ 注 意 ■
    各プーリに、圧縮上死点(TDC)と圧縮上死点前60°(BTDC60°)2箇所のマークが打刻されている。

    1. クランクシャフトを正回転させ、NO.1シリンダを圧縮上死点前60°(BTDC60°)にセットする。
    2. ■ 注 意 ■
      ピストンとバルブの干渉防止のため、必ず圧縮上死点前60°(BTDC60°)マークにセットする。


  8. クランクシヤフトダンパ取りはずし
    1. SSTを使用して、クランクシャフトプーリセットボルトを取りはずす。
    2. SST
      09213-70011(90105-08076)
      09330-00021(09330-00030)

    3. クランクシャフトにボルト(M18×P1.5)を取り付ける。

    4. SSTを使用して、クランクシャフトダンパを取りはずす。
    5. SST
      09950-50012(09951-05010,09952-05010,09953-05010)
      09954-05070

      □ 参 考 □
      SST(センターボルト)のねじ部および先端部に、油脂類を塗布し使用する。


    6. ボルト(M18×P1.5)を取りはずす。
  9. タイミングベルトカバ-NO.1取りはずし
  10. タイミングベルト取りはずし
    1. ボルト2本を均等にゆるめタイミングベルトテンショナを取りはずす。
    2. ■ 注 意 ■
      タイミングベルトテンショナをはずした場合、ロッドが伸びた状態では取り付けてはならない。

    3. タイミングベルトの背面にチョークなどで、回転方向を明示する。
    4. □ 参 考 □
      再使用時に、タイミングベルトの当たりを変えないために行う。

    5. タイミングベルトを取りはずす。
  11. タイミングベルトアイドラNO.1取りはずし
    1. ソケットヘキサゴンレンチ10を使用して、タイミングベルトアイドラNO.1を取りはずす。
  12. カムシヤフトタイミングプ-リ取りはずし
    1. 図の位置に、クランクシャフトタイミングプーリがあることを確認する。

    2. カムシャフトNO.2のサービス用六角部をモンキーレンチなどで固定し、カムシャフトタイミングプーリのセットボルトを取りはずす。
    3. ■ 注 意 ■
      モンキーレンチをバルブリフタに当てないようにする。


    4. カムシャフトタイミングプーリを取りはずす。
  13. タイミングベルトアイドラNO.2取りはずし
  14. タイミングベルトカバ-NO.4取りはずし
  15. タイミングベルトカバ-NO.5取りはずし
  16. カムシヤフトタイミングオイルコントロ-ルバルブASSY取りはずし
  17. カムシヤフトオイルシ-ル取りはずし
    1. カムシャフトベアリングキャップNO.1をはずし、カムシャフトオイルシールを取りはずす。
  18. セミサ-キユラプラグ取りはずし
  19. カムシヤフトサブギヤ固定
    1. サブギヤをボルト(M6、P1.0)でドリブンギヤに固定する。
    2. 参考値
      T=5.5N・m{55kgf・cm}

      □ 参 考 □
      カムシャフトを取りはずし時、サブギヤに作用するスプリング力の影響をなくすために行う。


  20. カムシヤフト取りはずし
  21. ■ 注 意 ■
    カムシャフトスラストクリアランスを小さくしているので、カムシャフトを水平に保持しながら取りはずさないと無理な力がスラスト部にかかり、シリンダヘッドジャーナルのスラスト部にバリが発生するので、必ず次の要領に従って作業を行う。

    1. カムシャフトNO.1のNO.3およびNO.5シリンダのカムノーズが図のような向きになっていることを確認する。
    2. □ 参 考 □
      この作業はNO.3およびNO.5シリンダのインテークバルブのリフト量を同一にするために行う。


    3. カムシャフトベアリングキャップを次の順序で取りはずす。
    4. NO.2ジャーナル部
      刻印 I2
      NO.6ジャーナル部
      刻印 I6
      NO.3ジャーナル部
      刻印 I3
      NO.5ジャーナル部
      刻印 I5

    5. カムシャフトベアリングキャップのNO.4(刻印I4)およびNO.7(刻印I7)ジャーナル部を均等にゆるめ、ベアリングキャップおよびカムシャフトを取りはずす。
    6. ■ 注 意 ■
      • NO.4およびNO.7ジャーナル部のベアリングキャップのボルトをゆるめるに従って、カムシャフトNO.1が水平に浮き上がることを確認する。
      • カムシャフトを工具などでこじて無理な力を加えない。
      • シリンダヘッド側スラスト受け部に傷をつけない。

      □ 参 考 □
      カムシャフトが水平に浮き上がらない場合は、NO.4およびNO.7ジャーナル部を均等に取り付けた後、ギヤ部を手で持ち上げながら再度上記の作業を行う。


  22. カムシヤフトサブギヤ取りはずし
    1. カムシャフトのサービス用六角部をバイスで固定する。
    2. ■ 注 意 ■
      カムフェースに傷をつけない。

    3. SSTを使用して、サブギヤに右回転の力を加え、サブギヤ固定用ボルト(M6、P1.0)を取りはずす。
    4. SST
      09960-10010(09962-01000,09963-00500)

      ■ 注 意 ■
      カムジャーナルに傷をつけない。


    5. SSTを使用して、スナップリングをはずし、ウェーブワッシャ、サブギヤおよびタイミングギヤボルトワッシャを取りはずす。
    6. SST
      09904-00010(09904-00040)

      ■ 注 意 ■
      サブギヤ脱着時スナップリングを変形させてしまった場合、再使用せず新品に交換する。


  23. カムシヤフトサブギヤ取り付け
    1. タイミングギヤボルトワッシャ、サブギヤおよびウェーブワッシャをカムシャフトに取り付ける。

    2. SSTを使用して、スナップリングを取り付ける。
    3. SST
      09904-00010(09904-00040)

    4. SSTを使用して、サブギヤを右回転させ、サブギヤとドリブンギヤの歯先が一致するように固定用ボルト(M6、P1.0)を取り付ける。
    5. SST
      09960-10010(09962-01000,09963-00500)

      ■ 注 意 ■
      カムジャーナルに傷をつけない。

      □ 参 考 □
      カムシャフト取り付け時、サブギヤに作用するスプリング力が影響しないように行う。


  24. カムシヤフトNO.2取りはずし
  25. ■ 注 意 ■
    カムシャフトスラストクリアランスを小さくしているので、カムシャフトを水平に保持しながら取りはずさないと無理な力がスラスト部にかかり、シリンダヘッドジャーナルのスラスト部にバリが発生するので、必ず次の要領に従って作業を行う。

    1. カムシャフトNO.2のNO.2およびNO.6シリンダのカムノーズが、図のような向きになっていることを確認する。
    2. □ 参 考 □
      カムシャフトNO.2およびNO.6シリンダのエキゾーストバルブのリフト量を同一にするために行う。


    3. カムシャフトベアリングキャップを次の順序で取りはずす。
    4. NO.2ジャーナル部
      刻印 E2
      NO.6ジャーナル部
      刻印 E6
      NO.4ジャーナル部
      刻印 E4
      NO.5ジャーナル部
      刻印 E5

    5. カムシャフトベアリングキャップのNO.3(刻印E3)およびNO.7(刻印E7)ジャーナル部を均等にゆるめ、ベアリングキャップおよびカムシャフトNO.2を取りはずす。
    6. ■ 注 意 ■
      • NO.3およびNO.7ジャーナル部のベアリングキャップボルトをゆるめるに従って、カムシャフトNO.2が水平に浮き上がることを確認する。
      • カムシャフトを工具などでこじて無理な力を加えない。
      • シリンダヘッド側スラスト受け部に傷をつけない。

      □ 参 考 □
      カムシャフトが水平に浮き上がらない場合は、NO.3およびNO.7ジャーナル部を均等に取り付けた後、ギヤ部を手で持ち上げながら再度上記の作業を行う。


  26. カムシヤフトタイミングギヤASSY点検
    1. カムシャフトNO.2のサービス用六角部をバイスで固定し、タイミングギヤが回転しないことを確認する。
    2. 図の位置の進角側ポート以外のポートをビニールテープでふさぐ。

    3. エアガンを使用して、100kPa{1kgf/cm2}程度のエア圧力を図の進角側ポートに加える。
    4. ■ 注 意 ■
      オイルが飛散するのでウエスなどで覆う。

      □ 参 考 □
      最遅角ロック用のロックピンを解除するために行う。


    5. 上記の状態でタイミングギヤを進角側(図の矢印の方向)に手で回転させる。
    6. 基 準
      回転すること

      □ 参 考 □
      エア圧力によっては、手で力を加えなくてもタイミングギヤが進角方向へ回転する。また、エアがポート部から漏れ圧力がかかりにくい状態では、ロックピンの解除がされにくい場合がある。

    7. ロックピンがかん合する最遅角位置を除いて2−3回タイミングギヤを往復させ、可動範囲および摺動を確認する。
    8. 基 準
      約20°の範囲でスムースに可動する

    9. タイミングギヤを手で回転させ、最遅角位置でロックさせる。
  27. カムシヤフトタイミングギヤASSY取りはずし
  28. ■ 注 意 ■
    • 上記の点検でタイミングギヤに異常がない場合は、取りはずし不可である。
    • タイミングギヤまたはカムシャフトの交換時以外は、タイミングギヤの脱着は行わない。


    1. SSTを使用して、ナットをはずしタイミングギヤを取りはずす。
    2. SST
      09922-10010

      ■ 注 意 ■
      • ロックピンが作動し、最遅角位置にロックされた状態で取りはずす。
      • タイミングギヤ部のボルト4本は絶対にはずさない。

      □ 参 考 □
      タイミングギヤがはずれにくい場合は、プラスチックハンマーで軽くたたいて取りはずす。


  29. カムシヤフトタイミングギヤASSY取り付け
    1. ノックピン位置を合わせて、カムシャフトにタイミングギヤを取り付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      ロックピンが作用し、最遅角位置にロックされた状態で取り付ける。

    3. ナットおよびタイミングギヤの座面、ねじ部にエンジンオイルを塗布する。
    4. ■ 注 意 ■
      • エンジンオイルを塗布しないと、規定締め付けトルクが得られないので必ず塗布する。
      • タイミングギヤ交換時はナットも新品に交換する。


    5. SSTを使用して、ナットを締め付ける。
    6. SST
      09922-10010

      基準値
      T=135N・m{1380kgf・cm}

      □ 参 考 □
      タイミングギヤを取りはずす前に行った点検と同様の点検を行い、タイミングギヤがスムースに可動することを確認する。


  30. カムシヤフトタイミングギヤASSY点検
  31. □ 参 考 □
    カムシャフトタイミングギヤASSY点検を行い、タイミングギヤがスムースに可動することを確認する。

  32. ウオ-タアウトレツト取りはずし
  33. ウオ-タバイパスパイプNO.1取りはずし
  34. シリンダヘツド取りはずし
    1. ダブルヘキサゴンレンチ10を使用して、シリンダヘッドボルトを図の順序で、数回に分けて均等にゆるめ取りはずす。

  35. シリンダヘツドガスケツト取りはずし
  36. ウオ-タインレツト取りはずし
  37. ウオ-タポンプASSY取りはずし
  38. タイミングベルトプレ-ト取りはずし
  39. クランクシヤフトタイミングプ-リ取りはずし
    1. クランクシャフトにボルト(M18×P1.5)を取り付ける。
    2. SSTを使用して、クランクシャフトタイミングプーリを取りはずす。
    3. SST
      09950-50012(09951-05010,09952-05010,09953-05020,09954-05010)

      □ 参 考 □
      SST(センターボルト)のねじ部および先端部に、油脂類を塗布して使用する。


  40. オイルパンNO.2取りはずし
    1. オイルパンシールカッターを使用して、オイルパンNO.2を取りはずす。
    2. ■ 注 意 ■
      オイルパンフランジ部が変形しないようにゆっくり行う。

  41. オイルストレ-ナ取りはずし
  42. オイルパンバツフルプレ-ト取りはずし
  43. オイルパン取りはずし
    1. シリンダブロックとオイルパンの合わせ面にある凹部に、マイナスドライバーを差し込み、オイルパンをこじて取りはずす。
    2. ■ 注 意 ■
      オイルパンの凹部以外の合わせ面をこじる場合は、オイルパン合わせ面に傷を付けない。


  44. オイルポンプASSY取りはずし
  45. クランクシヤフトシ-ル取りはずし
    1. 保護テープを巻いたマイナスドライバーを使用して、クランクシャフトシールを取りはずす。

  46. クランクシヤフトシ-ル取り付け
    1. 新品のクランクシャフトオイルシールのリップ部に、少量のMPグリースNO.2を塗布する。
    2. SSTを使用して、クランクシヤフトシールを打ち込む。
    3. SST
      09950-60010(09951-00630)
      09950-70010(09951-07100)


  47. エンジンリヤオイルシ-ルリテ-ナ取りはずし
  48. エンジンリヤオイルシ-ル取りはずし
    1. 保護テープを巻いたマイナスドライバーを使用して、エンジンリヤオイルシールを取りはずす。
    2. ■ 注 意 ■
      エンジンリヤオイルシールリテーナを傷つけないように木片などを当てる。


  49. エンジンリヤオイルシ-ル取り付け
    1. 新品のエンジンリヤオイルシールのリップ部に少量のMPグリースNO.2を塗布する。
    2. SSTを使用して、エンジンリヤオイルシールを打ち込む。
    3. SST
      09223-15030
      09950-70010(09951-07100)


  50. エンジンリヤオイルシ-ルリテ-ナ取り付け
    1. 図の箇所にシールパッキンブラックをビード状(直径2−3mm)に連続して塗布し、シリンダブロックに取り付ける。
    2. 基準値
      T=6.0N・m{60kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。


  51. スパ-クプラグチユ-ブガスケツト取りはずし
    1. バッフルプレートの脱落防止用ツメを折り曲げ、マイナスドライバーを使用して、スパークプラグチューブガスケットを取りはずす。
    2. ■ 注 意 ■
      バッフルプレートのガスケット部を変形させない。


  52. スパ-クプラグチユ-ブガスケツト取り付け
    1. SSTを使用して、新品のスパークプラグチューブガスケットを図の位置まで打ち込む。
    2. SST
      09950-60010(09951-00430)
      09950-70010(09951-07100)

    3. バッフルプレートの脱落防止用ツメを元の位置に戻す。
    4. ■ 注 意 ■
      シリンダヘッドカバーのかん合部に傷をつけない。


  53. オイルポンプASSY取り付け
    1. シリンダブロックに新品のOリング2個を取り付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • Oリングにエンジンオイルを塗布しない。

    3. 図の箇所にシールパッキンブラックをビード状(直径2−3mm)に連続して塗布し、シリンダブロックに取り付ける。
    4. 基準値
      T=21N・m{210kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • ボルト穴周辺は内側へ塗布する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。


  54. オイルパン取り付け
    1. シリンダブロックに新品のOリングを取り付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • Oリングにエンジンオイルを塗布しない。

    3. 図の位置にシールパッキンブラックをビード状(直径3−4mm)に連続して塗布し、シリンダブロックに取り付ける。
    4. 基準値
      T=21N・m{210kgf・cm}(M8)
      T=40N・m{400kgf・cm}(M10)

      ■ 注 意 ■
      • オイルパンNO.2部分はボルト穴の外側に塗布する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。


  55. オイルパンバツフルプレ-ト取り付け
  56. 基準値
    T=9.0N・m{90kgf・cm}

  57. オイルストレ-ナ取り付け
    1. 新品のガスケットを介して、オイルストレーナを取り付ける。
    2. 基準値
      T=9.0N・m{90kgf・cm}

  58. オイルパンNO.2取り付け
    1. 図の位置にシールパッキンブラックをビード状(直径4−5mm)に連続して塗布し、オイルパンに取り付ける。
    2. 基準値
      T=9.0N・m{90kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • ボルト穴周辺は内側へ塗布する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。


  59. クランクシヤフトタイミングプ-リ取り付け
  60. タイミングベルトプレ-ト取り付け
  61. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  62. ウオ-タポンプASSY取り付け
    1. 新品のOリングをシリンダブロックに取り付ける。
    2. 新品のガスケットを介して、ウォータポンプを取り付ける。
    3. 基準値
      T=21N・m{210kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • Oリングを脱落させない。
      • Aのボルトを先に締め付ける。


  63. ウオ-タインレツト取り付け
    1. 新品のガスケットをサーモスタットに取り付ける。
    2. サーモスタットのジグル弁をウォータインレットマークに合わせて取り付ける。
    3. 基準値
      T=9.0N・m{90kgf・cm}


  64. シリンダヘツドボルト点検
    1. ノギスを使用して、図の箇所のシリンダヘッドボルト外径を測定する。
    2. 基準値
      10.8−11.0mm
      限 度
      9.7mm

      ■ 注 意 ■
      限度以下の場合は、シリンダヘッドボルトを交換する。


  65. シリンダヘツドガスケツト取り付け
  66. ■ 注 意 ■
    • シリンダヘッド下面およびシリンダブロック上面を清掃および脱脂する。
    • シリンダヘッドボルト穴の冷却水などは除去する。

    1. 新品のヘッドガスケットのロットNO.をシリンダヘッド側に向け、図のようにシリンダブロックに取り付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      • ガスケット表面のコーティングを傷つけない。
      • ガスケットの上下間に異物を混入させない。


  67. シリンダヘツド取り付け
  68. ■ 注 意 ■
    シリンダヘッドボルトは塑性域締め付け法で締め付ける。

    1. シリンダヘッドボルトのねじ部、座面およびワッシャに、少量のエンジンオイルを塗布する。
    2. シリンダヘッドボルトにワッシャを組み付けて、シリンダヘッドに挿入する。
    3. ダブルヘキサゴンレンチ10を使用して、シリンダヘッドボルトを図の順序で2−3回に分けて仮締め後、規定トルクで締め付ける。
    4. 基準値
      T=35N・m{350kgf・cm}


    5. シリンダヘッドボルト頭部のエンジンフロント側にペイントマークを付ける。

    6. ペイントマークを目安にしてシリンダヘッドボルトを締め付け順序に従い、90°締め付ける。
    7. さらにシリンダヘッドボルトを90°増し締めする。
    8. ペイントマークがエンジンリヤ側にあることを確認する。
  69. ウオ-タバイパスパイプNO.1取り付け
    1. 新品のOリングに石けん水を塗布して、ウォータバイパスパイプに取り付ける。
  70. ウオ-タアウトレツト取り付け
    1. 新品のOリングに石けん水を塗布して、ウォータアウトレットを取り付ける。
    2. 基準値
      T=28N・m{280kgf・cm}

  71. カムシヤフト取り付け
    1. 図の位置に、クランクシャフトタイミングプーリがあることを確認する。

    2. カムシャフトのカム、ギヤ部およびジャーナル部にエンジンオイルを塗布する。

    3. カムシャフトNO.1のNO.3およびNO.5シリンダのカムノーズを図のような向きにして取り付ける。
    4. □ 参 考 □
      この作業はNO.3およびNO.5シリンダのインテークバルブのリフト量を同一にするために行う。

    5. カムシャフトベアリングキャップのNO.4およびNO.7ジャーナル部を取り付け、ベアリングキャップがシリンダヘッドに触れるまでベアリングキャップボルトを均等に仮締めする。
    6. ■ 注 意 ■
      • カムシャフトを水平に沈み込ませる。
      • NO.1ジャーナル部にかみ込まないことを確認する。


    7. カムシャフトベアリングキャップを取り付け、NO.5、3、6、2ジャーナルの順序でベアリングキャップボルトを均等に仮締めする。

    8. ベアリングキャップボルトを均等に規定トルクで締め付ける。
    9. 基準値
      T=15N・m{150kgf・cm}

  72. カムシヤフトNO.2取り付け
    1. カムシャフトのカム、ギヤ部およびジャーナル部にエンジンオイルを塗布する。
    2. カムシャフトおよびカムシャフトNO.2のギヤ後面の合わせマークを合わせて、カムシャフトNO.2を組み付ける。
    3. ■ 注 意 ■
      シリンダヘッド側スラスト受け部に傷をつけない。


    4. カムシャフトベアリングキャップNO.3およびNO.7ジャーナル部を取り付け、ベアリングキャップがシリンダヘッドに触れるまでベアリングキャップボルトを均等に仮締めする。
    5. ■ 注 意 ■
      • カムシャフトを水平に沈み込ませる。
      • NO.1ジャーナル部にかみ込まないことを確認する。


    6. カムシャフトベアリングキャップを取り付け、NO.5、4、6、2ジャーナルの順序で、ベアリングキャップボルトを均等に仮締めする。

    7. ベアリングキャップボルトを均等に規定トルクで締め付ける。
    8. 基準値
      T=15N・m{150kgf・cm}

  73. セミサ-キユラプラグ取り付け
    1. 図の箇所にシールパッキンブラックを(直径2mm)塗布し、シリンダヘッドに取り付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シールパッキンを塗りすぎない。
      • カムシャフトオイルシール取り付けと同時に行う。
      • シールパッキン塗布後、3分以内に取り付ける。
      • 取り付け後、2時間以内はエンジンを始動しないで放置する。


    3. 図の箇所にシールパッキンブラックを(直径2mm)塗布し、シリンダヘッドに取り付ける。
    4. ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シリンダヘッド上面とセミサーキュラプラグ上面に段差がないように取り付ける。
      • シールパッキン塗布後、3分以内に取り付ける。
      • 取り付け後、2時間以内はエンジンを始動しないで放置する。


  74. カムシヤフトオイルシ-ル取り付け
    1. 新品のオイルシールをリップ部からカムシャフトに挿入する。
    2. ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シリンダヘッド最深部まで確実に挿入する。
      • リップ部を反転させない。
      • リップ部に切粉やゴミなどを付着させない。


    3. 図の箇所にシールパッキンブラックを(直径1.0−1.5mm)塗布し、シリンダヘッドに取り付ける。
    4. 基準値
      T=15N・m{150kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シールパッキンは直径2mm以上は塗布しない。
      • ハンマーなどでカムシャフトベアリングキャップNO.1を打ち込まない。
      • カムシャフトベアリングキャップNO.1とシリンダヘッドの合わせ面にすき間がないことを確認する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。
      • 取り付け後、2時間以内はエンジンを始動しないで放置する。


    5. ベアリングキャップボルトを均等に締め付ける。
  75. カムシヤフトタイミングオイルコントロ-ルバルブASSY取り付け
  76. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  77. タイミングベルトカバ-NO.5取り付け
  78. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  79. タイミングベルトカバ-NO.4取り付け
  80. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  81. タイミングベルトアイドラNO.2取り付け
  82. 基準値
    T=35N・m{350kgf・cm}

  83. タイミングベルトアイドラNO.2点検
  84. ■ 注 意 ■
    • タイミングベルトアイドラNO.2を手で回転させ、滑らかに回転することを確認する。
    • シール部にグリースが飛散していないことを確認する。

  85. カムシヤフトタイミングプ-リ取り付け
    1. 図の位置に、クランクシャフトタイミングプーリがあることを確認する。

    2. カムシャフトタイミングプーリを取り付ける。

    3. カムシャフトNO.2の六角部をモンキーレンチなどで固定し、セットボルトを締め付ける。
    4. 基準値
      T=107N・m{1070kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      モンキーレンチをバルブリフタに当てない。

  86. タイミングベルトアイドラNO.1取り付け
    1. ソケットヘキサゴンレンチ10を使用して、タイミングベルトアイドラNO.1を締め付ける。
    2. 基準値
      T=35N・m{350kgf・cm}


  87. タイミングベルトアイドラNO.1点検
  88. ■ 注 意 ■
    • タイミングベルトアイドラNO.1を手で回転させ、滑らかに回転することを確認する。
    • シール部にグリースが飛散していないことを確認する。

  89. タイミングベルト取り付け
  90. ■ 注 意 ■
    • タイミングベルトおよび各プーリに水およびオイルなどの付着が認められた場合は、漏れまたは浸入箇所を修理し、新品のタイミングベルトを取り付ける。
    • 各プーリは、取り付け前に必ず汚れをウエスなどで拭き取る。(洗浄してはならない)

    1. 各タイミングプーリのBTDC60°マークが合わせマークと一致していることを確認する。
    2. ■ 注 意 ■
      バルブとピストンの干渉防止のため必ずBTDC60°側のマークにセットする。


    3. タイミングベルトの回転方向を確認して、図の順序で各プーリに取り付ける。
    4. ■ 注 意 ■
      クランクシャフト、カムシャフト、アイドラNO.2の各プーリ間は、ベルトにたるみがないように取り付ける。


    5. タイミングベルトテンショナのブーツを取りはずす。
    6. タイミングベルトテンショナをまっすぐプレスにセットする。
    7. タイミングベルトテンショナのロッドをできるだけゆっくり圧縮し、ロッドとシリンダの穴を合わせ、六角棒レンチ(二面幅2mm)をロッドおよびシリンダに貫通させる。
    8. ■ 注 意 ■
      • ロッドの荷重は9.8kN{1000kgf}以上加えない。
      • ブーツ取り付けの際、ブーツを傷つける可能性があるため、六角棒レンチ(二面幅2mm)先端をシリンダより突き出させない。

      □ 参 考 □
      ロッドとシリンダの穴を合わせる場合、プレスで圧縮する過程に六角棒レンチ(二面幅2mm)先端をシリンダに挿入し、ロッドの穴を確認する。


    9. 圧縮をゆるめ、タイミングベルトテンショナをプレスから取りはずす。
    10. ブーツをタイミングテンショナに取り付ける。
    11. 六角棒レンチ(二面幅2mm)の取り付いたタイミングベルトテンショナをオイルポンプ取り付け位置に取り付ける。
    12. 基準値
      T=27N・m{270kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      タイミングベルトテンショナを傾いて取り付けると、正常に機能しないので、ボルト2本は均等に締め付ける。

    13. オイルポンプとブーツ間のすき間がないことを確認する。
    14. ■ 注 意 ■
      すき間がある場合、水入りの原因となるため再度上記の作業を行う。

    15. タイミングベルトテンショナのロッドから六角棒レンチ(二面幅2mm)を取りはずす。
    16. クランクシャフトプーリボルトをワッシャなどを介して仮付けし、クランクシャフトを正回転方向に2回転させ、クランクシャフトタイミングプーリ(TDCマーク)とオイルポンプの合わせマークを合わせたとき、カムシャフトタイミングプーリ(TDCマーク)とカムシャフトベアリングキャップNO.1の合わせマークが一致していることを確認する。

    17. クランクシャフトボルトおよびワッシャを取りはずす。
    18. 図のようにタイミングベルトガイドを取り付ける。

  91. タイミングベルトカバ-NO.1取り付け
  92. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  93. クランクシヤフトダンパ取り付け
    1. SSTを使用して、クランクシャフトプーリセットボルトを取り付ける。
    2. SST
      09213-70011(90105-08076)
      09330-00021(09330-00030)

      基準値
      T=330N・m{3300kgf・cm}


  94. バルブクリアランス点検
    1. クランクシャフトを正回転させ、NO.1シリンダを圧縮上死点にセットする。
    2. 図の箇所のバルブクリアランスを確認する。
    3. 基準値
      IN 0.15−0.25mm(冷間時)
      EX 0.25−0.35mm(冷間時)

      □ 参 考 □
      基準値外の場合は、クリアランスを測定し記録しておく。


    4. クランクシャフトを正回転させ、NO.6シリンダを圧縮上死点にセットする。

    5. 図の箇所のバルブクリアランスを確認する。
    6. 基準値
      IN 0.15−0.25mm(冷間時)
      EX 0.25−0.35mm(冷間時)

      □ 参 考 □
      基準値外の場合は、クリアランスを測定し記録しておく。

  95. バルブクリアランス調整
    1. 調整箇所のカムシャフトをはずし、バルブリフタを取りはずす。
    2. マイクロメーターを使用して、取りはずしたバルブリフタの厚さを測定する。

    3. バルブリフタを選択する。
    4. 基 準
      A・・・選択バルブリフタ
      B・・・取りはずしたバルブリフタの厚さ
      C・・・測定したバルブクリアランス
      IN A=B+(C−0.20mm)
      EX A=B+(C−0.30mm)

      □ 参 考 □
      • バルブリフタは5.06−5.74mmの範囲で0.02mmごとに35種類の補給がある。
      • バルブリフタ内部の識別NO.は小数点以下2ケタの数値を示す。(図の場合5.45mm)


    5. 選択したバルブリフタを取り付ける。
    6. カムシャフトを取り付ける。
  96. タイミングベルトカバ-NO.2取り付け
  97. 基準値
    T=8.0N・m{80kgf・cm}

  98. シリンダヘツドカバ-取り付け
    1. 図の箇所にシールパッキンブラックを(直径2mm)塗布し、シリンダヘッドに取り付ける。
    2. 基準値
      T=22N・m{220kgf・cm}

      ■ 注 意 ■
      • 取り付け面を清掃および脱脂する。
      • シールパッキンブラック塗布後、3分以内に取り付ける。
      • 取り付け後、2時間以内はエンジンを始動しないで放置する。


  99. オイルパイプNO.1取り付け
    1. オイルコントロールバルブフィルタをユニオンボルトに組み付ける。
    2. ■ 注 意 ■
      フィルタのメッシュ部をさけ、フレーム部をつかむようにする。

    3. 新品のガスケットを介して、ユニオンボルトでオイルパイプNO.1をカムベアリングキャップNO.1に取り付ける。
    4. 基準値
      T=55N・m{550kgf・cm}

    5. 新品のガスケットを介して、オイルチェックバルブボルトでオイルパイプNO.1を、シリンダブロックに取り付ける。
    6. 基準値
      T=55N・m{550kgf・cm}

    7. オイルパイプNO.1をタイミングベルトカバーNO.4に取り付ける。
    8. 基準値
      T=9.0N・m{90kgf・cm}


  100. スパ-クプラグ取り付け
  101. 基準値
    T=18N・m{180kgf・cm}