DTC P1325/15 イグナイタ6系統

 DTC P1320/14 イグナイタ5系統

 DTC P1315/15 イグナイタ4系統

 DTC P1310/14 イグナイタ3系統

 DTC P1305/15 イグナイタ2系統

 DTC P1300/14 イグナイタ1系統

準備品一覧

回路解説

ダイレクトイグニッションシステム(S−TDI)を採用している。S−TDIは点火精度を高めるとともに、高電圧のロスを抑え、イグニッションシステムの全体的な信頼性を高める。S−TDIは一つのシリンダにつき一つのイグニッションコイルで点火を行う。エンジンコントロールコンピユータは点火時期を決定し、各シリンダに点火信号(IGT)を出力する。IGT信号を基に、イグナイタ内のパワートランジスタはイグニッションコイル内の一次コイルへの電流をカットし、その電流は二次コイルの端に接続されているスパークプラグへ供給される。それと同時にイグナイタはエンジンコントロールコンピユータに点火確認信号(IGF)を送る。

DTC No.
DTC検出条件
1.診断条件 2.異常状態 3.異常期間 4.その他
トラブルエリア
P1300/14
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT1信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.1イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT1系統断線または短絡
  • NO.1イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ
P1305/15
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT2信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.2イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT2系統断線または短絡
  • NO.2イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ
P1310/14
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT3信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.3イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT3系統断線または短絡
  • NO.3イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ
P1315/15
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT4信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.4イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT4系統断線または短絡
  • NO.4イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ
P1320/14
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT5信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.5イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT5系統断線または短絡
  • NO.5イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ
P1325/15
1.始動時および、エンジン回転中
2.IGT6信号が出力されているにもかかわらずIGF信号が入力されない状態
3.1秒以上
4.1トリップ
  • エンジンECU−NO.6イグニツションコイル間の+BまたはIGF、IGT6系統断線または短絡
  • NO.6イグニツシヨンコイル
  • エンジンコントロールコンピユータ

配線図

点検手順

□ 参 考 □
  • DTC P1300/14が表示される場合は、NO.1イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • DTC P1305/15が表示される場合は、NO.2イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • DTC P1310/14が表示される場合は、NO.3イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • DTC P1315/15が表示される場合は、NO.4イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • DTC P1320/14が表示される場合は、NO.5イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • DTC P1325/14が表示される場合は、NO.6イグニツシヨンコイル回路を点検。
  • S2000を使用して、フリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには不具合発生時のエンジン稼動状態の一部を記録してあり、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

手順1
ワイヤハーネスまたはコネクタ点検(イグニツシヨンスイツチ−イグニツシヨンコイル)

SST
09082-00030
09083-00150
  1. イグニツシヨンコイルコネクタを切り離す。

  2. イグニツシヨンスイツチをONにする。

  3. SSTを使用してイグニッションコイルコイルコネクタ1(+B)端子−4(GND)端子間の電圧を測定する。


  4. 基準
    9−14V
  5. イグニツシヨンコイルコネクタ4(GND)端子−ボデーアース間の導通を測定する。


  6. 基準
    導通あり
      NG
      ワイヤハーネスまたはコネクタ修理または交換
      OK
      次の手順へ

手順2
ワイヤハーネスまたはコネクタ点検(エンジンECU−イグニツシヨンコイル)

SST
09082-00030
09083-00150
□ 参 考 □
以下はNo.1シリンダの点検方法を示してある。No.1シリンダ以外の不具合が発生している場合は、以下の手順を参考に該当シリンダ回路を点検する。

  1. イグニツシヨンコイルコネクタを切り離す。

  2. エンジンコントロールコンピユータAコネクタを切り離す。

  3. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピユータ側コネクタA16(IGT1)端子−イグニツシヨンコイル側コネクタ3(IGT1)端子間の断線を点検する。(端子配列は05-102 参照)


  4. 基準
    導通あり
  5. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピユータコネクタA16(IGT1)端子−C1(E1)端子間の短絡を点検する。(端子配列は05-102 参照)


  6. 基準
    導通なし
  7. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピユータ側コネクタA10(IGF)端子−イグニツシヨンコイル側コネクタ2(IGF1)端子間の断線を点検する。(端子配列は05-102 参照)


  8. 基準
    導通あり
  9. SSTを使用して、エンジンコントロールコンピユータコネクタA10(IGF)端子−C1(E1)端子間の短絡を点検する。(エンジンコントロールコンピユータ端子配列は05-102 参照)


  10. 基準
    導通なし
      NG
      ワイヤハーネスまたはコネクタ交換
      OK
      次の手順へ

手順3
イグニシヨンコイルASSY点検
  1. ダイアグノーシスコードを検出したイグニシヨンコイルASSYと正常な気筒のイグニシヨンコイルASSYと交換する。

  2. S2000を使用して、ダイアグノーシスコ−ドを消去する。(要領は05-85 参照)

  3. クランキングする。

  4. S2000を使用して、ダイアグノーシスコードを確認する。(要領は05-85 参照)


  5. 検出結果
    ダイアグノーシスコ−ドが付け替えたイグニツシヨンコイルASSYの気筒に変わった
    ダイアグノーシスコードが付け替えたイグニツシヨンコイルASSYの気筒に変わらない
      B
      エンジンコントロ-ルコンピユ-タ交換
      A
      イグニシヨンコイルASSY交換