構造と作動

トヨタエレクトロマルチビジョン

トヨタエレクトロマルチビジョン

  1. 基本操作
    1. パネルスイッチ操作
      1. マルチディスプレイの表示画面は,エアコンモード画面・ナビゲーションモード画面・TVモード画面などから構成されており,各モード画面はマルチディスプレイ下部のパネルスイッチから呼び出すことができます。
    2. タッチスイッチ操作
      1. 各モード画面(ナビゲーション・エアコンなど)を呼び出した後の操作は,マルチディスプレイ画面上に表示されたスイッチ枠を直接指で触れることで入力ができるタッチスイッチによって行います。
    3. 音声操作(用品設定の音声操作スイッチ & マイクロホン接続時)
      1. 音声操作スイッチを押して,マルチディスプレイ画面上に音声認識マークを表示させた後,マイクロホンに向かって発声することにより,オーディオモード・エアコンモード・TVモード・ナビゲーションモードの各操作を行うことができるものとし,使用性の向上をはかりました。また,「今日は何日?」などの質問に対して案内音声を出力する知りたインフォ機能および地名・施設名称を発声することにより,ルート案内を行うタクシーモードを採用しました。
      2. 音声操作可能モード & 音声操作可能機能一覧
        音声操作可能モード
        音声操作可能機能
        オーディオモード
        オーディオ電源のON/OFF,ソースのダイレクトチェンジ,各ソースに応じた機能操作(受信放送局の選局,テープ早送り・巻き戻し,トラック選曲など)
        エアコンモード
        オートモードのON,エアコンのON/OFF,設定温度の変更など
        TVモード
        TV電源のON/OFF,受信放送局の選局
        ナビゲーションモード
        ジャンル・施設・住所・電話番号・マップコードによる地図画面の呼び出し,画面表示の変更,地図縮尺の切り替え,目的地の設定,案内音声の音量切り替えなど
        1. 知りたインフォ機能
          1. 音声操作可能状態で,「今日は何日?」・「今日は何曜日?」などの質問に対して,「今日は○月×日 日曜日です。」などの案内音声を出力することによって,お知らせすることができます。
        2. タクシーモード
          1. 音声操作可能状態で,「タクシー」と発声することにより,タクシーモードとなり,「どちらに行きますか?」との案内音声が出力されます。案内音声が出力された後,地名または施設名称などを発声することにより,地図画面が表示され,その地点を目的地として,ルート案内を開始します。また,ナビゲーションモード起動時に自動的にタクシーモードになる自動タクシーモードを採用しました。なお,自動タクシーモードのON/OFFはメニュー画面内の「ナビ設定」で行うことができます。

  2. 機能
    1. 画質調整モード
      1. パネルスイッチの「画質・消」スイッチを押すことにより,画質調整モード画面に移行し,画質の調整を行えるものとしました。なお,TV映像表示画面では色合い・色の濃さ・コントラスト・明るさの4項目,その他の画面ではコントラストおよび明るさの調整を行うことができます。
    2. エアコンモード
      1. パネルスイッチの「エアコン」スイッチを押すことにより,エアコンモード画面に移行し,エアコンの作動状態表示および操作を行えるものとしました。なお,詳細はヒーター & エアコンディショナーシステムを参照してください。(参照先 ヒーター & エアコンディショナーシステム−構造と作動
    3. TVモード
      1. パネルスイッチの「TV」スイッチを押すことにより,TV映像表示画面に移行し,TV放送の表示画面を表示します。また,TV映像画面表示中に,パネルスイッチの「オーディオ」スイッチを押すことにより,TVモード画面に移行し,受信チャンネルNo.・TVチャンネル切り替えスイッチ・マルチCH表示スイッチ・オートプリセットスイッチ・Videoモード切り替えスイッチ・設定スイッチをオンスクリーン表示します。なお,TV映像画面は,イグニッションスイッチがONまたはACCの状態で,パーキングブレーキを引いて停止中の場合のみ表示できるものとしました。なお,それ以外の場合には,TV音声のみを聞くことができます。
        1. TVモード操作画面
          1. TVモード画面表示中に画面上の「設定」にタッチすることにより,TVモード操作画面に移行します。TVモード操作画面では受信チャンネルNo.および放送局名の表示・プリセットチャンネルのチャンネルNo.および放送局名の表示・音質の調整・ワイドモードの切り替え・局名の表示・Videoモードの切り替え・音声多重の切り替えなどを行うことができます。
        2. マルチTV表示
          1. TVモード画面表示中に画面上の「マルチCH表示」にタッチすることにより,マルチTV表示画面に移行し,プリセットスイッチに表示されているチャンネルの映像を最大8局まで同時に表示させることができます。なお,マルチTV表示画面で表示したい放送局名をタッチすることにより,TV映像表示画面に移行し,選択した放送局のTV映像表示画面を表示することができます。
    4. 情報モード
      1. パネルスイッチの「情報」スイッチを押すことにより,情報モード画面に移行し,各情報表示の選択を行えるものとしました。また,情報モード画面で画面上の「次ページ」または「前ページ」をタッチすることにより,次のページまたは前のページの表示を行うことができます。
      2. 情報モード機能一覧
        FM多重・MONET・メンテナンス・電話帳・情報付施設・レジャーi・カレンダー・壁紙・画面設定
        □ 参 考 □
        * : 販売店装着オプション設定のMONET対応機器接続時のみ

        1. FM多重
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「FM多重」にタッチすることにより,FM多重画面に移行し,FM多重一般文字放送の文字情報を表示します。なお,走行中は表示させることのできない番組もあります。
          2. FM多重モード機能一覧
            項 目
            内 容
            目次
            FM多重一般文字放送の目次を最大6項目(画面上の「1」〜「6」より情報を選択)まで表示します。なお,目次以外の画面で画面上の「目次」をタッチすることにより,目次画面を呼び出すことができます。
            記録・呼出・消去
            画面上の「メモ記録」をタッチすると現在表示中の文字情報をナビゲーションコンピューターに記録(最大20件まで)します。画面上の「メモ呼出」をタッチすることにより,記録した文字情報を呼び出して表示します。また,画面上の「消去」あるいは「全消去」をタッチすることにより,記録した情報を消去します。なお,「消去」をタッチした場合は現在表示中の文字情報を,「全消去」をタッチした場合はナビゲーションコンピューターに記憶されているすべての文字情報を消去します。
            自動送り
            FM多重一般文字放送の文字情報が複数ページあるとき,画面上の「自動送り」をタッチすることにより,各ページを自動的に送って表示します。また,画面上の「停止」にタッチすることにより,自動送りを中止させることができます。なお,走行中の自動送りはできません。
            自動選局
            画面上の「自動選局」をタッチすることにより,FM多重文字情報を発信している放送局の選局を行います。
            緊急放送受信
            文字情報表示中にFM多重の緊急情報を受信したとき,自動的に表示を切り替えます。
            戻る
            画面上の「戻る」をタッチすることにより,現在の一つ前の表示画面に切り替えます。
            番組連動
            画面上の「番組連動」をタッチすることにより,連動情報番組に切り替わります。
        2. MONET
          1. 販売店装着オプション設定のMONET対応機器接続時に情報モード画面内の「MONET」にタッチすることによりMONET画面に移行し,MONET(Mobile Network)による各情報の表示および表示項目の選択を行うことができます。なお,詳細はMONETを参照してください。(参照先 MONET
        3. メンテナンス
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「メンテナンス」にタッチすることにより,メンテナンスメニュー画面に移行し,オイル交換時期などの各種メンテナンス情報の表示および入力(時期・距離・販売店など)を行うことができます。また,メンテナンスメニュー画面表示中に画面上の「?」をタッチすることにより,パーソナルメニュー画面に移行し,免許証更新時期などの個人的な情報の表示および時期の入力を行えるものとしました。
          2. メンテナンスメニュー一覧
            エンジンオイル交換
            ワイパーゴム交換
            オイルフィルター交換
            冷却水(LLC)交換
            タイヤローテーション(タイヤ位置交換)
            ブレーキオイル交換
            タイヤ交換
            オートマチックトランスミッションフルード(ATF)交換
            バッテリー交換
            ?(パーソナルメニューへ移行)
            ブレーキパッド交換
             
            パーソナルメニュー一覧
            プロケア10
            ポリマーメンテナンス
            マイレージサービス
            エアピュリファイヤーフィルター交換
            12ヶ月点検
            保険満了
            車検
            免許証更新
            ガラスコート
            !(自分でタイトルを付けて設定)
        4. 電話帳
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「電話帳」にタッチすることにより,電話帳画面に移行し,地図用DVD-ROMディスク内に記憶されている施設(JAFおよび道路交通情報センターなど)の電話番号一覧を表示することができます。また,設定されている目的地や,登録されているメモリ地点および特別メモリ地点に電話番号が入力されていれば,その地点の電話番号を表示させることもできます。
        5. 情報付施設
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「情報付施設」にタッチすることにより,情報付施設画面に移行し,地図用DVD-ROMディスク内に記憶された地図上の主な施設についての詳細情報(施設概要・開館時間・料金・施設外観写真・地図など)を探索表示することができます。
        6. レジャーi(観光エリアガイド)
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「レジャーi」にタッチすることにより,レジャーi画面に移行し,情報付施設に登録されている観光スポットを地域/エリアの中から選択することにより,詳細情報(概要・住所・電話番号・営業時間・写真など)を表示できます。
        7. カレンダー
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「カレンダー」にタッチすることにより,カレンダー画面に移行し,カレンダーを表示するとともに,指定した日付にメモを入れることができます。また,登録したメモの修正および消去を行うことができます。
        8. 壁紙
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「壁紙」にタッチすることにより,壁紙設定画面に移行し,マルチディスプレイ画面上になにも映っていないときの表示(壁紙)を春・夏・秋・冬・海・山の6種類の中から選択することができます。
        9. 画面設定
          1. 情報モード画面表示中に画面上の「画面設定」にタッチすることにより,画面設定画面に移行し,エアコン操作画面・情報画面を表示させた状態で,約20秒以上操作しなかったとき自動的にもとの画面に戻る自動解除と,そのまま表示を続ける継続表示の設定を行うことができます。なお,自動解除と継続表示の切り替えは,画面上の「自動解除」または「継続表示」をタッチすることにより行います。また,設定の終了は画面上の「設定完了」をタッチすることにより行います。
    5. ナビゲーションモード
      1. 現在地表示画面
        1. GPSナビゲーションによって検出した自車位置をコンビネーションメーターからの車速信号およびナビゲーションコンピューターからの道路地図データーなどと組み合わせてマルチディスプレイ画面上にマーク表示します。なお,GPS衛星からの位置情報を利用している場合は,画面左側上部に表示されている方位の下に「GPS」マークが,GPS衛星からの信号に加えて,DGPSセンターからの絶対位置補正情報を利用している場合は,「DGPS」マークが表示されます。また,VICS情報が提供されている場合には,「GPS」または「DGPS」マークの下に「VICS」マークと情報提供時刻(VICSタイムスタンプ)が表示されます。(VICS情報が提供されていない場合には,「VICS」マークがトーンダウン表示されるとともに,情報提供時刻がバー表示されます。)
      2. 表示
        1. 地図の縮尺
          1. 1/2048万〜1/5千縮尺の地図および市街図のある地域では1/2500縮尺の市街図を表示することができます。なお,縮尺の切り替えは,画面上に表示された「詳細」または「広域」をタッチすることにより行います。また,「詳細」・「広域」をタッチすると表示される13段階の縮尺ゲージを直接タッチすることにより,ダイレクトに縮尺の選択を行うことができます。
        2. 地図の移動(スクロール)
          1. 現在地表示画面で,タッチスイッチの表示されていない箇所をタッチすることにより,カーソルキーが表示され,地図を見たい方向のカーソルキーをタッチすることにより,地図がスクロールします。なお,地図スクロールスピードを最大600dot/secとし,高速な地図スクロールを可能としています。
        3. 地図向き
          1. 地図の向きをノースアップ表示(車両進行方向に関係なく,常に北が上になるように表示)またはヘディングアップ表示(車両進行方向が常に上向きになるように表示)のいずれかに切り替えることができます。なお,表示の切り替えは,画面上に表示された方位マークをタッチすることにより行います。
        4. フロントワイド表示
          1. 車両進行方向の地図を広く表示させることができます。なお,表示の切り替えはメニュー画面内の「ナビ設定」で行えるものとしました。
        5. ルート方向アップ
          1. 3D表示選択時のルート案内中に,ルートの進行方向が画面上方となるように地図を表示することにより,前方のルートを見やすく表示することができます。
        6. 地図色の変更
          1. 現在の日付によって地図表示色を変更するとともに,季節によって地図色を自動的に切り替えることができます。
        7. 3D表示
          1. 地図を立体的に表示することができます。また,3D表示時における見下ろし角度の調整も行うことができます。
        8. 2画面表示
          1. 画面の表示を左右に2分割し,左右の画面に縮尺の異なる画面または3D表示とノースアップ表示などの画面を表示することができます。また,左右の画面で独立して地図向きの切り替え・施設の表示など各設定の切り替えを行うことができます。
        9. 市街図表示
          1. 現在地が市街図表示エリア内にあり,1/5千縮尺画面を表示している場合に,画面上の「市街図」をタッチすることにより,詳細な市街図を表示することができます。なお,車速が約80km/h以上になると市街図表示は自動的に解除されます。(車速が70km/h以下になると市街図表示に復帰します。)また,3D表示時に市街図表示を選択することにより,市街図表示に加えて,建物を立体的に表現したリアル市街図表示を行えるものとしました。
        10. ビジュアルマップ
          1. 地図表示において実際の道路の幅に応じて地図上の道路の太さを変えるとともに,地図上のランドマークを立体的に多色表示します。なお,表示のON/OFFは,メニュー画面内の「ナビ設定」から行えるものとしました。
        11. 立体ランドマーク表示
          1. 1/8万縮尺以下の地図画面を表示中に,立体的な施設マークの表示を行うことができます。
        12. 施設表示
          1. 1/8万縮尺以下の地図画面を表示中に選択した施設をマーク文字で地図画面上に表示することができます。なお,画面上の「その他/複数表示」をタッチすることにより,5施設までのジャンルを同時に表示させることができます。
        13. 都市高ハイウェイマップ
          1. 1/2万縮尺以上で 1/8万縮尺以下の地図画面を表示中に,表示する道路を都市高速(首都高速・阪神高速・名古屋高速など)に限定し,インターチェンジ・ジャンクションおよび路線番号の表示を行うことができます。なお,表示のON/OFFはメニュー画面内の「表示切替」から行うことができます。
        14. シーズンレジャーランドマーク
          1. 1/8万縮尺以下の地図画面を表示中に,季節に応じたシーズンレジャーランドマーク(例:2〜4月は桜の名所・9〜11月は紅葉の名所)を地図画面上に表示することができます。
      3. 検索・登録
        1. 検索
          1. 目的地の設定およびメモリ地点の登録など各種設定時の地図の呼び出し方法には以下のようなものがあります。
          2. 地図の呼び出し方法一覧
            項 目
            方 法
            50音
            施設の名称を50音で入力することにより,地図を呼び出します。
            施設
            駅・ホテル・販売店など施設のジャンルを選択することにより,地図を呼び出します。
            電話番号
            電話番号を入力することにより,地図を呼び出します。
            住所
            都道府県・市区町村名・町名を選択することにより,地図を呼び出します。
            郵便番号
            7桁の郵便番号を入力することにより,地図を呼び出します。
            メモリ地点
            メモリ地点の地図を呼び出します。(メモリ地点が登録されているときのみ)
            目的地履歴
            過去に目的地設定を行った際の目的地の地図を呼び出します。(最大20件)
            マップコード
            位置データーをコード化したものを入力することにより,地図を呼び出します。
            先程の地図
            メニュー画面にする以前の地図を呼び出します。
            前回出発地*1
            前回,ルート案内をさせた出発地の地図を呼び出します。
            現在地周辺*2
            現在地周辺の地図を呼び出します。
            自宅に帰る*1
            自宅の地図を呼び出します。
            1〜5に行く*1
            特別メモリ地点(1〜5)の地図を呼び出します。(特別メモリ地点が登録されているときのみ)
            1〜5周辺*2
            特別メモリ地点(1〜5)周辺の地図を呼び出します。(特別メモリ地点が登録されているときのみ)
            □ 参 考 □
            *1:目的地設定時のみ表示されます。
            *2:目的地設定時を除く地図画面呼び出し時のみ表示されます。

        2. 登録
          1. 自宅(1件)・メモリ地点(100件)・特別メモリ地点(5件)および迂回メモリ地点(10件)の登録・修正・消去を行うことができます。また,名称・電話番号の入力を行えるとともに,メモリ地点はマーク表示の選択を行えるものとしました。
      4. ルート案内
        1. 目的地の設定を行うと,現在地から目的地までの案内ルートを表示するとともに,音声によってルート案内を行います。なお,ルート案内の開始はルート探索終了後に画面上の「案内開始」にタッチするか,パネルスイッチの「現在地・案内音声」を押す,または全ルート表示画面終了後,約15秒間無操作で走行すると,目的地までのルート案内を開始します。
          1. 目的地の設定
          2. パネルスイッチの「目的地設定」スイッチを押すことにより,目的地設定画面に移行し,前記の地図の呼び出し方法一覧によって目的地を検索することにより,目的地の設定を行えるものとしました。また,目的地の複数設定(最大5件まで)を可能にするとともに,複数の目的地の順序変更を行うことができます。
          3. 5ルート同時探索
          4. 同時に5つのルートを検索し,推奨ルート・有料道優先・一般道優先・距離優先・別ルートのいずれかから案内ルートを選択することができます。なお,探索された5つのルートはそれぞれ色分けされ,画面上に一括表示されるとともに,画面上の「全行程一覧」をタッチすることにより,5つのルートそれぞれを選択した場合の料金(最低料金の目安)・全行程(km)・所要時間(目安)の表示を行うことができます。
          5. 迂回エリア考慮探索
          6. 迂回したい地域をあらかじめ設定しておくことにより,ルート探索時に迂回箇所を回避したルート探索を行うことができます。なお,迂回メモリ地点は10件まで登録できます。
          7. 交差点案内
          8. ルート案内中の交差点接近を判定し,交差点付近の拡大図を表示して誘導します。なお,画面表示を3Dパターン拡大図とすることにより,立体交差点やインターチェンジへの入口などの狭角分岐をわかりやすく表示する交差点もあります。
          9. 季節規制区間案内
          10. 長期間にわたって交通規制が行われる区間(冬季通行止めなど)を含むルートが探索された場合は案内ルートの該当箇所が別の色で表示されるとともに,画面上にメッセージを表示してお知らせすることができます。なお,メッセージのON/OFFはメニュー画面内の「ナビ設定」で行うことができます。
          11. ハイウェイモード
          12. 高速道路上をルート案内中のときに,ハイウェイモード画面に切り替わり,サービスエリア・パーキングエリア・インターチェンジの情報を見ることができます。また,高速道路の出口インターチェンジまたはジャンクションの手前(都市間高速・首都および都市高速で約1km手前)になると分岐図を表示して誘導します。また,ルート案内を行っていない場合にも都市間高速に限り,ハイウェイモード画面を表示することができます。
          13. イラスト案内
          14. 都市高速(首都高速・阪神高速・名古屋高速など)の出入り口で立体的なイラストを表示してわかりやすく案内を行います。
          15. 再音声
          16. ルート案内中にパネルスイッチの「現在地・案内音声」スイッチを押すことにより,次の分岐点までの距離に応じた案内が音声によって行われます。
          17. 目的地到着案内
          18. 目的地周辺に近づくと,音声によって目的地到着案内を行います。
          19. 連続レーン案内
          20. ルート案内中に,2車線以上の道路での走行可能なレーンを連続して表示できます。
          21. 目的地方向矢印表示
          22. ルート案内中に,自車位置が案内ルートからはずれている場合には,目的地の方向を矢印で表示します。
          23. 道路形状警告
          24. ルート案内中に,合流・急カーブおよび踏切が近づくと音声によって道路形状警告が行われるとともに,地図画面上に道路形状マークが表示されます。
          25. ルート再探索
          26. 現在地周辺からの案内ルートの再探索・全案内ルートの再探索・探索条件設定(推奨ルート・有料道・一般道・距離優先・別ルート)・別道路再探索(案内ルート上の場合のみ)を行うことができます。
          27. ルート自動再探索
          28. ルート案内中に,自車位置が案内ルートからはずれた場合,自動的に案内ルートの再探索を行い,現在地からの新たな案内ルートを表示することができます。
          29. ロータリー案内
          30. 案内ルートにロータリーがあった場合に,ロータリーの入口および出口を分岐として案内を行います。
          31. 発券徴収案内
          32. あらかじめ車両ナンバー区分(1/3/5・7)をナビゲーションコンピューターに入力しておくことにより,有料道路での通行料金を表示するとともに,料金所または検札所の手前で支払い案内を行います。
      5. メニュー
        1. パネルスイッチの「メニュー」スイッチを押すことにより,メニュー画面に移行し,各機能の選択を行えます。なお,走行中には操作できない機能がありますので注意してください。
        2. メニュー一覧
          案内中止/案内再開・全ルート・音声設定・表示切替・ルート変更・メモリ地点・ナビ設定・VICS・オンルートスクロール・使用データ
          1. 案内中止/案内再開
          2. 案内中のルートを消去して,ルート案内を中止することができます。また,案内中止後には表示が「案内再開」となり,タッチすることにより,案内を再開します。
          3. 全ルート
          4. 設定された案内ルートの全ルートを表示するとともに,全行程・通行料金など案内ルートの各情報を表示できます。
          5. 音声設定
          6. 案内音声のON/OFFおよび音量の調整・音声条件設定(他モード時での案内音声のON/OFFおよび操作説明音声のON/OFF)・自動音量切替の設定を行うことができます。
          7. 表示切替
          8. 画面表示をノーマル(1画面)表示・ツイン(2画面)表示・3D表示・3Dツイン表示に切り替えることができます。また,高速略図の表示/解除・都市高マップの表示/解除・立体ランドマーク表示のON/OFFおよび3D表示設定(3D見下ろし角度の調整)を行うこともできます。
          9. ルート変更
          10. 設定した目的地の追加・並び替え・消去,通過道路の指定・修正・消去を行えるものとしました。また,探索条件の変更,季節規制表示のON/OFF,出入り口ICの設定などを行うことができます。
          11. メモリ地点
          12. 自宅・メモリ地点・特別メモリ地点および迂回メモリ地点の登録・修正・消去および目的地履歴の消去を行うことができます。
            自宅・メモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点の設定
            メニュー
            内 容
            自宅・メモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点の登録
            地図画面上から指定した地点を,自宅(1件)・メモリ地点(100件)・特別メモリ地点(5件)・迂回メモリ地点(10件)として登録することができます。なお,登録された自宅はマークで表示されます。また,メモリ地点または特別メモリ地点表示時に名称の変更および記号設定をすることもできます。
            メモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点の修正
            すでに登録されているメモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点の位置・電話番号・郵便番号・名称・記号を修正することができます。
            自宅・メモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点の消去
            すでに登録されている自宅・メモリ地点・特別メモリ地点・迂回メモリ地点を消去することができます。
          13. ナビ設定
          14. ナビゲーション画面での各条件を設定することができます。
            ナビ設定メニュー一覧
            現在地の修正・距離の補正
            シーズンレジャーランドマーク表示のON/OFF
            平均車速の設定
            立体ランドマーク表示のON/OFF
            フロントワイド表示のON/OFF
            他モードでの案内音声のON/OFF
            3D交差点案内画面のON/OFF
            県境お知らせ表示のON/OFF
            レーンリスト図表示のON/OFF
            道路形状警告のON/OFF
            ビジュアルシティマップ表示のON/OFF
            操作音声説明のON/OFF
            自動再検索のON/OFF
            ハートフル音声のON/OFF
            季節規制区間メッセージのON/OFF
            NAVI・AI-SHIFTのON/OFF*1
            到着予想時刻の設定および表示のON/OFF
            ギヤポジション表示のON/OFF*1
            料金案内の設定および表示のON/OFF
            地図表示色の設定
            ルート方向アップのON/OFF
            タクシーモードのON/OFF*2
            車両情報の設定
             
            □ 参 考 □
            *1:25またはV25のみ
            *2:用品設定の音声操作スイッチ & マイクロホン接続時のみ

          15. VICS
          16. VICSメニュー画面に移行し,VICS情報表示の設定を行うことができます。なお,詳細はVICSを参照してください。(参照先 VICS
          17. オンルートスクロール
          18. 画面上に表示されたカーソルキーをタッチすることにより,次の目的地または次の施設(GS・コンビニ・レストラン・駐車場・銀行・郵便局などの各ジャンルから選択可能)までの案内ルート上を前後にスクロールすることができます。
          19. 使用データ
          20. 使用している地図用DVD-ROMディスクに収録されているデータベースなどの情報を表示します。
      6. NAVI・AI-SHIFT(25またはV25のみ)
        1. ナビゲーションコンピューターからの道路コーナー情報とエンジンコントロールコンピューターが算出した道路勾配情報を組み合わせて,道路形状・道路勾配および車両状況に応じて適切な変速段の選択を行うNAVI・AI-SHIFTを採用しました。なお,詳細はシャシーの電子制御式オートマチックトランスミッションを参照してください。(参照先 電子制御式オートマチックトランスミッション[A650E]−構造と作動 )また,制御のON/OFF切り替えおよびギヤポジション表示のON/OFFをマルチディスプレイ画面上に表示されたタッチスイッチで行うものとするとともに,コンビネーションメーター内にNAVI・AI-SHIFTの作動状態およびギヤポジション表示を行うものとし,使用性に優れたものとしました。なお,コンビネーションメーター内の各表示の詳細はボデーのメーター & ゲージシステムを参照してください。(参照先 メーター & ゲージシステム−構造と作動
      7. その他の機能
        1. ハートフル音声
          1. 自宅到着時や乗車時に「お疲れさま。」・「今日は○月×日です。」などの音声案内を行わせることができます。なお,ハートフル音声のON/OFFはメニュー画面内のナビ設定で行うことができます。
        2. 他モード時での案内音声
          1. ナビゲーションモード画面以外の画面を表示中にもルート案内中であれば,案内音声を行わせることができます。
    6. ダイアグノーシスモード
      1. トヨタエレクトロマルチビジョンシステム各構成部品の異常などの検査を行うダイアグノーシスモードを採用しました。ダイアグノーシスモードの起動は,車両停止中でイグニッションスイッチがON時にパネルスイッチの「情報」スイッチを押しながらライトコントロールスイッチ(TAIL)のOFF→ON操作を3回繰り返す,または画質調整画面を表示させて,RGB映像画面の左上→左下を3回繰り返してタッチすることにより行います。なお,バックガイドモニター検査を行う場合は,エンジンをかけた状態でダイアグノーシスモードを起動してください。また,ダイアグノーシスモードの解除はイグニッションスイッチをOFFすることにより行います。
        1. ダイアグ検査メニュー画面
          1. ダイアグノーシスモードが起動すると,サービス検査画面が表示されます。サービス検査画面で画面上の「検査メニュー」をタッチすることにより,ダイアグ検査メニュー画面が表示され,サービス検査・ディスプレイ検査・ナビ検査の各検査を選択することができます。
        2. サービス検査
          1. 各システムの自己診断を行い,検査結果を「OK」・「チェック」・「交換」など6つの分類で表示します。
          2. 検査結果が「交換」・「チェック」・「旧Ver」の場合は,「通信ダイアグ詳細表示画面」および「個別ダイアグ詳細表示画面」で内容の確認を行うことができます。
          3. サービス検査結果表示一覧
            表 示
            内 容
            OK
            ダイアグコードがない場合。
            交換
            交換が必要と判断されるダイアグコードの入力がある場合。
            チェック
            診断が必要と判断されるダイアグコードの入力がある場合。
            未接続
            起動時(IG ON時)システムに登録されているがダイアグ起動時に応答がない場合。
            旧Ver
            旧ダイアグ仕様機器で,何らかのダイアグコードの入力がある場合。
            無応答
            ダイアグ起動時に応答はあるがダイアグ情報の応答がない場合。
        3. ディスプレイ検査
          1. マルチディスプレイに関する各検査を行うことができます。
          2. ディスプレイ検査メニュー一覧
            項 目
            検査内容
            カラーバー検査
            黒・赤・緑・青・白の5色をバー表示し,ディスプレイのカラー表示検査を行う。
            タッチスイッチ検査
            ディスプレイのタッチスイッチ1ラインごとに動作状態の検査を行う。
            パネルスイッチ検査
            マルチディスプレイパネルスイッチ動作状態の検査を行う。
            車両信号検査
            マルチディスプレイに入力している車両側信号(ACC電圧・PKB・車速・TAIL・REV)の状態検査を行う。
        4. ナビ検査
          1. GPSおよびナビゲーションコンピューターなどのナビゲーションシステムに関する各検査を行うことができます。
          2. ナビ検査メニュー一覧
            項 目
            検査内容
            GPS情報
            現在,受信可能範囲内にあるGPS衛星の数および電波の受信状態(現在位置・現在時刻)を表示する。
            車両信号 & センサー検査
            ナビゲーションコンピューターに入力されている車両信号(ACC・REV・SPD)およびセンサー信号(ジャイロ)の状態を表示する。
            カラーバー検査
            黒・赤・緑・青・白の5色をバー表示し,ナビゲーションコンピューターのカラー表示検査を行う。
            VICS検査
            レシーバ検査・電波ビーコン情報・光ビーコン情報・FM多重情報のVICSに関する各検査を行う。
            メモリ退避・読込
            専用のメモリ退避治具を用いて,ナビゲーションコンピューターに記憶されたユーザー情報(自宅・メモリ地点・特別メモリ地点など)の退避および読み込みを行う。
            製品情報
            ナビゲーションコンピューター・地図用DVD-ROMディスクのメーカー・バージョン情報の表示を行う。

  3. 構成部品
    1. マルチディスプレイ(松下製)
      1. マルチディスプレイはディスプレイパネル部・ディスプレイドライバー部・コントロールパネル部で構成されています。
      2. ディスプレイパネル部は,カラー液晶パネルを組み込んでありTV映像やコンピューター出力画面を表示します。また,液晶パネル照明用バックライトを内蔵しています。
      3. ディスプレイドライバー部は,マイクロコンピューターを内蔵したディスプレイコントロールコンピューターで,スイッチの検出処理や画像調整を行います。
      4. コントロールパネル部は,表示モードの選択を行うパネルスイッチと画面上を直接指で触れることにより画面の切り替え操作などを行うタッチスイッチで構成されています。
        1. カラー液晶パネル
          1. マルチディスプレイはTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)方式の液晶パネルを使用し,一般的なTV画面の縦:横比3:4に対してワイドな9:16の縦87.3mm×横155.5mm,対角実長178.3mmを表示画面として使用しています。液晶セルは縦234・横1440の画素に細分化されており,各カラーフィルターに対応する液晶セル(画素)それぞれをRGB映像信号によって全閉から全開までアナログ的に制御することで加色混合され,すべての色を表現することができます。
          2. カラー液晶パネル仕様
            表示方式
            TN液晶透過型
            カラー表示
            RGBカラーフィルター,加色混合
            駆動方式
            TFT,アクティブマトリクス駆動
            表示画面サイズ[mm]
            縦87.3×横155.5
            表示画素数[ドット]
            縦234×横1440
            画素サイズ[mm]
            縦0.370×横0.107
            カラーフィルター配列
            RGBストライプ配列
        2. バックライト
          1. 液晶自体は発光能力のない受動素子であるため,カラー液晶パネルの裏側に冷陰極管(蛍光ランプ)を使用したバックライトを配置しました。
    2. ナビゲーションコンピューター(デンソー製)
      1. グラブボックス内に取り付けられており,信号を演算・制御するメインコンピューターと各種メモリで構成されています。また,GPSレシーバー・ジャイロセンサーおよびDVD-ROMプレーヤーを内蔵しています。
      2. メインコンピューターは,ナビゲーション画面用およびコンピューター画面用のRGB映像信号をマルチディスプレイに出力します。
        1. GPSレシーバー
          1. GPSアンテナで受信したGPS衛星からの信号を復調し,ナビゲーションコンピューター内のメインコンピューターに出力します。
        2. ジャイロセンサー
          1. 車両の鉛直軸方向の回転速度(ヨーレート・自転運動)を検出し,ナビゲーションコンピューター内のメインコンピューターに出力します。
        3. DVD-ROMプレーヤー
          1. DVD-ROMプレーヤーの内部はDVD-ROMディスク内の情報を読み取るDVD-ROMドライバー部とDVD-ROMディスクのコントロールを行うI/Fコンピューター部で構成されています。なお,ナビゲーションコンピューター本体の前面にDVD-ROMディスク挿入・取り出し口を設けることにより,DVD-ROMディスクの交換を容易に行えるものとしました。
    3. 地図用DVD-ROMディスク
      1. ナビゲーションコンピューター内のDVD-ROMプレーヤー部に1枚装填されており,地図情報・ルート情報の各画面データー・案内音声データーを記憶しています。
    4. TVチューナー(松下製)
      1. TVチューナーはラッゲージルーム内右側に取り付けられており,TVアンテナから入力されるTV放送電波を受信・選局し,映像信号をマルチディスプレイに,音声信号をオーディオヘッドユニットに出力します。
      2. TVチューナー仕様
        受信方法
        4本ウインドゥアンテナ
        選局方法
        PLLシンセサイザー
        受信チャンネル
        VHF1〜12・UHF13〜62
        最大感度[dB μ V]
        VHF35以下・UHF35以下
        オートサーチ感度[dB μ V]
        30±10
    5. TVアンテナ
      1. TVアンテナは,バックウインドゥガラスに4系統を配置した,4パターンダイバーシティーアンテナとし,TV放送受信電波をセレクター一体TVアンテナアンプを介してTVチューナーに出力します。
    6. セレクター一体TVアンテナアンプ(松下製)
      1. TVアンテナアンプは,受信電波の増幅およびTVアンテナとTVチューナーの整合(マッチング)を行います。TVセレクターは,TVアンテナアンプと一体で,TV放送受信電波を4本のTVアンテナから入力して,TVチューナーへの出力を受信状態の良いいずれか1本のTVアンテナからの出力に切り替えます。
    7. コンビネーションメーター
      1. 車速信号(パルス信号)をナビゲーションコンピューターに出力します。ナビゲーションコンピューターは,この車速信号により走行距離を計算します。
    8. GPSアンテナ
      1. インストルメントパネル中央部の裏側に取り付けられており,高度約2万kmの地球を取り巻く軌道上の各軌道に配置されているGPS衛星からの信号を受信し,ナビゲーションコンピューター内のGPSレシーバーに出力します。GPS衛星からは,常時軌道信号と信号発信時刻が発信されています。
    9. VTRアダプター(用品設定)
      1. コンソールボックス内に取り付けられており,家庭用ポータブルビデオデッキを接続することにより,マルチディスプレイにビデオ映像を表示するとともに,スピーカーから音声を出力します。

GPS(Global Positioning System:衛星航法システム)ボイスナビゲーション

GPSボイスナビゲーション

  1. 取り扱い上の注意
    1. GPSによる位置測位が行われているとき,画面左上部に「GPS」マークが表示されます。なお,GPSによる位置測位ができない場合があり,このときには「GPS」マークが表示されません。
    2. GPSによる位置測位ができなくなる場合
      • ビル,トラック,トンネルなどでGPS衛星からの電波が遮断されているとき。
      • GPSアンテナの上に物を置くなどしてGPS衛星からの電波が遮断されているとき。
      • GPS衛星が電波を出していないとき。(米国の追跡管制センターで信号をコントロールしているため,修理・改良などにより電波がとまることがあります)
      • デジタル式携帯電話(1.5GHz)をGPSアンテナ付近で使用したとき。

DGPSボイスナビゲーション

  1. 概要
    1. 情報の流れ
      1. DGPSボイスナビゲーションにおける情報の流れは下記のようになっています。
      2. 情報の流れ
        1
        GPS衛星からのGPS信号をDGPS基準局で受信し,受信したGPS信号をDGPSセンターに送信。
        2
        DGPSセンターは,各基準局から送信されてきたGPS信号を集約して,GPSの測位誤差を計算し,DGPS誤差補正データーを算出した後,DGPS誤差補正データーをFM放送局へ送信。
        3
        FM放送局はDGPSセンターから送信されてきたDGPS誤差補正データーをFM多重放送電波化。
        4
        FM多重放送電波化されたDGPS誤差補正データーを,FM放送局で送信。
        5
        FM多重放送電波として送信されたDGPS誤差補正データーを車両のシステムで受信。
        6
        受信したDGPS誤差補正データーを基に,車両のシステムは車両の絶対位置をリアルタイムで補正。
    2. DGPSシステムのインフラ構成
      1. DGPS基準局とDGPSセンター間およびDGPSセンターとFM東京間のデーター送信はデーター回線を使用して行われます。また,FM東京とJFN系列FM局間のデーター送信はCS回線(JFN専用通信回線)を使用して行われます。

  2. 取り扱い上の注意
    1. DGPSボイスナビゲーションは,ラジオでFM多重放送を実施しているFM放送局を受信している場合のみ機能します。FM多重放送受信によりDGPSボイスナビゲーションが機能しているとき,画面左上部に「DGPS」マークが表示されます。なお,DGPSによる位置測位ができない場合があり,このときには「GPS」マークが表示され,GPSによる位置測位を行います。
    2. DGPSによる位置測位ができなくなる場合
      • DGPS情報を発信している放送局の電波が受信できないときや受信感度が悪いとき。
      • DGPS情報を発信している放送局の電波が遮断されたとき。
      • DGPS情報を発信している放送局の放送が行われていないとき。
      • DGPS情報の発信を行っていないFM放送局の電波を受信して,FM音声を聞いているとき。
      • AM放送(交通情報も含む)を受信しているとき。
      • TV音声を聞いているとき。
      • オーディオの電源がOFFのとき。
      • カセット・CD・MDを聞いているとき。

VICS

VICS

  1. 概要
    1. VICSとは,道路交通情報システム(Vehicle Information & Communication System)のことで,渋滞状況・交通規制などの道路交通情報や駐車場情報・旅行時間情報などをマルチディスプレイ画面上に表示するシステムです。
      1. 情報の流れ
        1. 情報の流れは下図のように情報収集・情報処理・情報提供・情報活用の4つのブロックからなっています。高速道の情報は各道路管理者(JHなど),一般道の情報は各都道府県警が収集し,(財)日本道路交通情報センターを通じ(財)VICSセンターで処理され,各メディア(電波ビーコン・光ビーコン・FM多重放送)によりマルチディスプレイ画面上に表示されます。
      2. 情報の範囲
        1. 各メディアから提供される情報の範囲の目安は以下のようになっています。
        2. 情報の範囲
          メディア
          主な設置場所
          提供される情報の範囲の目安
          電波ビーコン
          高速道路上
          進行方向の高速道約100kmの情報と高速道に密接に関連する一般道の情報。
          光ビーコン
          一般道路上
          進行方向10km以内の詳細な情報と30km以内の国道以上の道路情報。
          FM多重放送
          FM多重放送局
          設置されている都道府県内全域の一般道の情報と県内全域および県外約100km以内の高速道の情報。
      3. 情報の表示形態
        1. 情報は提供時刻(タイムスタンプ)とともにマルチディスプレイ画面上に以下の3つの形態で表示されます。
        2. 情報表示形態
          レベル
          形 態
          1
          文字により道路交通情報を表示する。
          2
          簡易図形により道路交通情報を表示する。
          3
          ナビゲーションシステムによる地図画面上に情報を重畳表示する。

  2. 表示と機能
    1. 表示内容
      1. VICS情報表示内容一覧
        • 渋滞(赤色)・混雑(橙色)・空き道(水色)を色分けした矢印で長さと方向を表示。
        • マーク文字で表示。
        • 詳細内容の表示機能あり。
        • 渋滞・規制情報を考慮したルート探索の機能あり。(光ビーコン受信時のみ)
        • 通行止めの長さ・方向を黒矢印で表示。
        • ビーコン割り込みスイッチ ON時,レベル1(文字)・2(簡易図形)の情報を表示。
        • FM多重VICS放送(文字・簡易図形)を表示。
        • 注意・警戒が必要な情報を表示。
        • 地震・津波など緊急性のある情報を表示。
    2. VICSメニュー画面
      1. メニュー画面表示中に画面上の「VICS」をタッチすることにより,VICSメニュー画面に移行し,VICSに関する各操作を行うことができます。
      2. VICSメニュー一覧
        VICS地図表示(全ての道路/高速道のみ/一般道のみ/VICS非表示)/FM文字/FM図形/割込情報/渋滞・規制案内/VICS設定
        1. VICS地図表示
          1. VICS情報を表示する道路を選択することができます。画面上の「全ての道路」にタッチすると全道路にVICS情報を表示します。また,「高速道のみ」をタッチすると都市間高速道・都市高速道のみに,「一般道のみ」をタッチすると一般道のみに限定してVICS情報を表示します。なお,「VICS非表示」をタッチすると,地図上のVICS情報の表示を中止します。また,「全ての道路」・「高速道のみ」・「一般道のみ」のいずれかをタッチし,ナビゲーションの地図縮尺が1/8万以下のときにVICS情報を受信すると,レベル3の表示を開始するとともに,画面にタイムスタンプを表示します。(1/2500縮尺の市街図ではレベル3の表示を解除します)
        2. FM文字
          1. 現在受信中のFM多重VICS放送のうちレベル1(文字)情報の表示を行うことができます。
        3. FM図形
          1. 現在受信中のFM多重VICS放送のうちレベル2(簡易図形)情報の表示を行うことができます。
        4. 割込情報
          1. 割込設定のON/OFFに関わらず,受信後30分以内のビーコン情報(レベル1・2情報)・注意警戒情報および一般緊急情報を表示することができます。
        5. 渋滞・規制案内
          1. 案内ルート上のVICS情報を案内音声によってお知らせします。
        6. VICS設定
          1. VICS設定画面では,VICS表示内容・割込設定・渋滞考慮探索の各設定およびVICS選局を行うことができます。
          2. VICS設定機能一覧
            機 能
            内 容
            VICS表示内容
            VICS情報受信時に地図画面上に表示されるレベル3情報を選択することができます。レベル3情報の渋滞・混雑情報,空き道情報,規制情報,駐車場情報それぞれについて表示のON/OFFを設定することができます。
            割込設定
            ビーコン情報(レベル1・2情報)および注意警戒情報の割込表示のON/OFF設定を行うことができます。なお,緊急情報は設定に関係なく,全ての表示画面に必ず割り込んで表示されます。
            渋滞考慮探索
            渋滞・規制情報を経路設定時に考慮する/しないの設定を行うことができます。なお,現在地から約10km以内の渋滞・規制情報が考慮されるため,遠方の渋滞・規制情報は考慮されません。
            VICS選局
            VICS情報を提供しているFM放送局を自動または手動で選局することができます。
    3. 割り込み表示
      1. ビーコン情報(文字・図形情報)自動割り込み表示 ON時
        1. ナビゲーション画面表示時,ビーコンからレベル1・2の情報を受信した場合,その情報が割り込んで表示されます。
      2. 注意警戒情報自動割り込み表示 ON時
        1. 注意警戒情報を受信すると,すべての表示画面に割り込んで表示することができます。
      3. 緊急情報
        1. 緊急情報を受信すると,すべての表示画面に割り込んで表示されます。

  3. 取り扱い上の注意
    1. 使用上の注意
      1. 使用にあたっては実際の交通規制にしたがってください。
      2. 提供される情報はあくまでも参考情報です。
      3. 渋滞情報の表示がされていない道路には,渋滞していない場合と渋滞状況が不明な場合とがあります。したがって,表示がされていなくても渋滞または混雑している場合があります。
      4. 提供されるデーターなどは最新情報でない場合があります。
      5. 走行中操作できない機能があります。
    2. FM多重放送についての注意
      1. FM多重放送の受信は受信場所によって,電波の強さが変わったり,障害物などの影響により最良な受信状態を維持することが困難になり,表示に時間がかかったり,表示できない場合があります。
      2. 電車の高架・高圧線・信号機・ネオンサインなどの近くで受信状態が悪くなる場合があります。
      3. 電波の特性上,建物や山などが障害物となり,受信状態が悪くなる場合があります。
      4. ラジオ放送やアマチュア無線の送信用アンテナの近くで受信すると,受信状態が悪くなる場合があります。
      5. トンネル内に入ると電波が微弱になり,受信状態が悪くなります。
      6. 放送局から遠ざかると電波が微弱になり,受信状態が悪くなります。
    3. 電波ビーコンついての注意
      1. 電波ビーコンの受信は,障害物などの影響により最良な受信状態を維持することが困難な場合があります。
      2. 電波の特性上,大型車との並走や大型車の後方間近を走行しているときは,受信状態が悪くなる場合があります。
      3. アンテナの付近に電波を遮る物を置くと,受信が困難になります。
      4. 高架下を走行したとき,高速道路のビーコンを受信する場合があります。
    4. 光ビーコンについての注意
      1. 光ビーコンの受信は,障害物などの影響により最良な受信状態を維持することが困難な場合があります。
      2. 光の特性上,大型車の後方間近を走行しているときには,受信状態が悪くなる場合があります。
      3. アンテナの付近に光を遮る物を置くと,受信が困難になります。

MONET

MONET

  1. 概要
    1. MONETとは,(株)トヨタメディアステーションが提供するオンライン情報システム(Mobile Network)のことで,MNCP(Mobile Network Communication Protocol)を用い,携帯電話を媒体として文字・画像・読み上げデーターなどのさまざまな種類の情報を車両に提供する会員制情報提供サービスです。なお,サービスの内容としては,交通情報・気象情報・電子メール・ニュースおよび施設情報などがあり,電話回線で接続された情報プロバイダーやインターネットからの情報により,リクエストに応じて提供します。
    2. (株)トヨタメディアステーションが提供する各情報をマルチディスプレイ画面上に表示するとともに,携帯電話のハンズフリー通話を可能としました。

  2. 表示と機能
    1. スイッチ機能(サテライトスイッチ)
    2. 初めて使う場合の準備
      1. 初めてMONETを利用する場合は,情報メニュー画面の「MONET」を選択して表示された画面で,会員番号(ユーザーID)とパスワードの入力を行ってください。会員番号およびパスワード入力後は,自動的にMONET情報センターにダイヤルされ,会員登録・サービスメニューダウンロードが終了すると電話が切れ,MONETメニュー画面が表示されます。なお,会員番号と初期パスワードは,(株)トヨタメディアステーションからの「会員番号とパスワードのお知らせ」をご覧ください。
      2. ■ 注 意 ■
        MONETのご利用にあたっては,あらかじめ会員登録(有料)が必要になります。

    3. MONETメニュー
      1. (株)トヨタメディアステーションと接続することで,いろいろな情報を受信・表示することができます。また,必要に応じてそれぞれを保存し,後から見直すこともできます。
      2. MONETメニュー一覧
        メニュー
        内 容
        音声リクエスト
        音声コマンドで,情報サービスメニューのタイトルを指定し,リクエスト発信します。
        新規リクエスト
        今回のみの情報サービスメニューのタイトルを選択し,リクエスト発信します。
        登録リクエスト
        いつも利用するサービスを登録し,ワンタッチ操作でリクエスト発信します。
        受信情報
        前回受信した情報を表示します。
        保存情報
        保存済みの情報を表示します。
        設定
        MONETの各機能の設定(通信設定・初期化・情報をロック・自動で読み上げ・ガイド設定・自動リクエスト機能・音声認識モードのレベル設定)を行う画面を呼び出します。
        インターネット
        インターネットブラウザを利用できます。
        ガイド
        MONETメニュー画面の操作要領説明を音声でアナウンスします。
        □ 参 考 □
        * : 有料オプションサービス(2000年8月現在)

        1. 自動リクエスト機能
          1. MONETメニュー内の設定画面で自動リクエスト機能をONに設定することにより,(株)トヨタメディアステーションから配信されるPUSHサービスの各情報(交通情報・天気予報など)を自動的に受信し,マルチディスプレイの各画面(ナビゲーション画面・MONET画面など)に表示します。
        2. 情報サービスメニュー
          1. 以下のような情報を,選択・受信することができます。なお,MONETサービスメニューは順次拡大していく予定です。内容については,MONETカスタマーセンターまでご連絡ください。TEL:フリーフォン0070-800-773377(携帯電話ではかけれません。携帯電話でおかけになるときは,052-263-7737におかけください)
          2. 情報サービスメニュー一覧(2000年8月現在)
            情報名
            内 容
            道路交通情報
            渋滞・工事・規制情報/今日の交通公開取り締まり/春・夏・冬連休の高速道渋滞予測(季節情報)/ライブビュー/駐車場情報/タウンページのガソリン店
            ニュース
            ヘッドラインニュース/NHKニュース情報/スポーツニュース/ビジネストレンド情報
            天気予報
            今日の天気/週間天気
            スポーツ天気 & コース
            ゴルフ場の天気/ゴルフ場のコース案内/スキー場情報(季節情報)
            電子メール
            電子メールの受信
            たべもの店情報
            モネおすすめの店/モネ特選のお店1000/文春 東京いい店うまい店/タウンページのたべもの店
            イベント情報
            ぴあ今週の注目ランキング/ぴあチケット発売情報/スポーツスケジュール/展示・博覧会スケジュール/全国お祭り情報
            観光情報
            主要観光スポット/飲食・土産・体験スポット/温泉地・温泉旅館情報/桜開花情報,紅葉情報(季節情報)
            街の情報
            今月の街の話題/街のおすすめスポット/タウンページ案内/電話番号によるお店案内/市街地詳細地図
            宿泊情報
            JTB空室・予約案内/ホテル・ビジネスホテル/観光旅館/タウンページの宿
            JRA-VAN競馬情報
            出馬表・オッズ・成績速報/開催日程/JRA-VANのお知らせ
            お困り相談窓口
            JAF案内/病院案内/お近くの警察署案内/損保事故相談窓口案内/トヨタテクノショップ案内
            メニュー
            全てのメニューのご紹介
            □ 参 考 □
            * : 有料オプションサービス(2000年8月現在)

        3. 使用上の注意点
          1. サービス内容は事前通知なく変更または廃止することがあります。
          2. 情報の提供は保守・工事などで中断する場合があります。
          3. 通話中何らかの原因で通話が遮断されたときも,電話料金が発生します。
          4. サービスは,携帯電話の電波を利用しているため,室内・地下・トンネル内・山岳部・高層ビルの陰などでは使用できない場合があります。
          5. 安全のため走行中の運転者による操作は行わないでください。
    4. ハンズフリー通話機能
      1. サテライトスイッチの電話スイッチを押すことにより,ダイヤル発信画面を表示し,普通の電話と同様の操作で電話をかけてハンズフリー通話を行うことができます。また,画面上の各タッチスイッチを操作することにより以下のような機能を選択することができます。
      2. ハンズフリー通話機能一覧
        メニュー
        内 容
        設定
        • 並び順:メモリダイヤルの並び順を50音順/番号順のどちらかに設定できます。
        • 音声認識:音声認識機能のON/OFFを行います。
        • メモリ転送:携帯電話に登録されているメモリダイヤル(漢字名称・読み仮名・電話番号)をMONETのメモリダイヤルに転送します。
        • メモリ消去:MONETに登録されているメモリダイヤルを一括消去します。
        ダイヤル発信
        • 普通の電話と同様の操作でダイヤルできます。接続後ハンズフリー通話が行えます。
        リダイヤル発信
        • 過去12回の電話をかけた時の番号リストを表示し,その中から発信先を選択できます。
        メモリダイヤル発信
        • ハンズフリーセットに登録した電話番号で発信することができます。
        携帯電話メモリ発信
        • 携帯電話に登録されているメモリダイヤルで発信することができます。
        音声発信
        • 音声認識機能を用いて,メモリダイヤルに登録されている読み仮名の発声に応答してダイヤルすることができます。