ブレーキフルード  エア抜き

準備品一覧



1. 取り扱い·作業上の注意

■ 注 意 ■
塗装面にブレーキフルードを付着させない。付着した場合はただちに洗い落とす。

□ 参 考 □
  1. ブレーキシステムの脱着作業を行った場合、またはブレーキライン内にエア混入の疑いがある場合は、ブレーキ系統のエア抜きを行う。
  2. マスタシリンダの脱着を行った場合、またはリザーバが空になった場合は、ブレーキマスタシリンダのエア抜きを行う。



2. ブレーキフルード補充


    C104795
  1. ブレーキフルードの缶を、リザーバの上に逆さにして立てる。

    ■ 注 意 ■
    1. 缶の中に十分な量のブレーキフルードが入っていることを確認する。
    2. 補充の際、マスターシリンダASSY上部のリザーバが十分満たされたことを確認した後、作業を行う。



3. ブレーキマスタシリンダエア抜き


    C104796
  1. エンジンルームリレーブロックNo.3を切り離す。(VSC付き車)(要領は参照)

  2. ユニオンナットレンチ(10mm)を使用して、ブレーキチューブ2本をマスタシリンダから切り離す。

  3. ゆっくりとブレーキペダルを踏み込み、その状態を保持する。



  4. C104797
  5. 指でチューブ穴をふさぎ、ブレーキペダルを放す。

  6. 指を放してゆっくりとブレーキペダルを踏み込んで保持し、再びチューブ穴をふさいでブレーキペダルを放し、これを3、4回繰り返す。

  7. ユニオンナットレンチ(10mm)を使用して、ブレーキチューブ2本をマスタシリンダASSYに接続する。

    基準値
    T=15N·m{155kgf·cm}(規定締め付けトルク)
    T'=14N·m{143kgf·cm}(ユニオンナットレンチおよびトルクレンチ230F使用時の読み)

  8. エンジンルームリレーブロックをNo.3取り付る。(VSC付き車)(要領は参照)



4. ブレーキ系統エア抜き
  1. ビニールチューブをブリーダプラグに接続する。

  2. ブレーキペダルを数回踏み込んで、ブレーキペダルを踏んだままブリーダプラグをゆるめる。

  3. ブレーキフルードが出てこなくなった時点で、ブリーダプラグを締め付け、ブレーキペダルを放す。

  4. ブレーキフルードの中のエア混入がなくなるまで繰り返す。

    基準値
    T = 11 N・m{ 110 kgf・cm } (ブリーダプラグ)

  5. 同様にして、各ホイールのブレーキラインからエアを抜く。



5. ABS & トラクッション アクチュエータ ASSYエア抜き(VSCあり)

■ 注 意 ■
  1. 通常のブレーキ系統エア抜き実施後、適切なブレーキペダルの高さおよび感触が得られ無い場合は、エアが混入しているおそれがあるため、再度以下のエア抜きを実施する。
  2. SST(TaSCAN)を使用しないでエア抜きを行うと、障害や事故につながるおそれがあるため、必ずSST(TaSCAN)を使用する。

  1. イグニッションスイッチをOFFにして、ブレーキペダルを20回以上踏み込む。

  2. イグニッションスイッチをOFFのまま、DLC3にSST(TaSCAN)を接続する。

    SST
    09991-70200  

  3. イグニッションスイッチをONにする。

    ■ 注 意 ■
    エンジンは始動しない。

  4. SST(TaSCAN)の電源スイッチをONにして、“メニュー(作業サポート)”→“ABS·VSC·ECB”→“エア抜き”を選択し、実行する。

  5. アクチュエータ内吸入系エア抜き

    ■ 注 意 ■
    アクチュエータ内吸入系のエア抜きは、車輪右側の2輪(前輪および後輪)で行う。


    1. SST(TaSCAN)のメニュー画面で、吸入系エア抜きを選択し、実行する。

    2. 右前輪のブリーダプラグをゆるめる。

    3. SST(TaSCAN)を操作して、アクチュエータを作動させる。

      □ 参 考 □
      1. アクチュエータ保護のため、4秒で自動的に停止する。
      2. ブレーキペダルは開放しておく。

    4. SST(TaSCAN)の画面で作動停止を確認する。

    5. ブリーダプラグを仮締めする。

    6. エアが完全に抜けるまで、アクチュエータ内吸入系エア抜きの‘ブリーダプラグをゆるめる’から‘ブリーダプラグを仮締めする’までの手順を繰り返し行う。

    7. ブリーダプラグを締め付ける。

      基準値
      T = 11 N・m{ 110 kgf・cm }

    8. 右後輪に対して、右前輪と同様の手順で作業を行う。

  6. アクチュエータ内減圧系エア抜き

    ■ 注 意 ■
    アクチュエータ内減圧系のエア抜きは、すべての4輪に対して、各車輪ごとに行う。


    1. SST(TaSCAN)のメニュー画面で減圧系のエア抜きを実行する。

    2. 右前輪のブリーダプラグをゆるめる。

    3. SST(TaSCAN)の操作によりアクチュエータを作動させ、同時にブレーキペダルを奥まで踏み込み、保持する。

      ■ 注 意 ■
      1. このときブレーキペダルの踏力は重いが、ブリーダプラグからブレーキフルードが出てくるまで踏み込む。
      2. ブレーキペダルは踏み込んだまま保持し、ペダリングはしない。

      □ 参 考 □
      ソレノイド保護のため、4秒で自動的にアクチュエータを作動停止する。また、連続して作動させる場合、20秒以上の間隔をあける。

    4. ブリーダプラグを締め付けて、ブレーキペダルを放す。

    5. エアが完全に抜けるまで、アクチュエータ内減圧系エア抜きの‘ブリーダプラグをゆるめる’から‘ブリーダプラグを締め付けて、ブレーキペダルを放す’までの手順を繰り返し行う。

    6. ブリーダプラグを締め付ける。

      基準値
      T = 11 N・m{ 110 kgf・cm }

    7. 他の3輪に対して、右前輪と同様の手順で作業を行う。

  7. 再度、ブレーキペダルのペダリングによる通常のブレーキ系統エア抜きを行う。

    ■ 注 意 ■
    エア抜きは4輪すべてに対して、各車輪ごとにエアが完全に抜けるまで繰り返し行う。



6. ブレーキフルード量点検
  1. ブレーキフルードの量を確認し、必要であればリザーバのMAXの位置まで補充する。